ヨコハマアパートメントを訪れて

こんにちは。

西田さんと入れ替わりで昨春からYGSAの助手をしている末光と申します。
前から訪れてみたかったヨコハマアパートメントをようやく見に来ることができたので、飛び込みで感想を書き込んでみます。

建物を見ていると、「カジュアル」という言葉が何度か頭をよぎりました。「カジュアル」というのは「普段着的な」という意味ですが。実は、来る前は、もう少し舞台的で、どこか無理している感じがあるんじゃないかなと思いながら来たのですが、それは払しょくされた気がします。

建築家のつくる建築ってどうしてもカチッとなりがちで、どこか肩肘張っているというか、素材やディテールの部分でそういう部分が見えると、どうしてもこういう空間は嘘くさくなってくると思うのですが、何か最後まで設計しきるのではなく、使っている人にどこかで放り投げているのがとても効果的で、そのことで住まい手の自由さを獲得していると思いました。

僕もこういうカジュアルさやラフさが生む空間の効果にはとても興味がありますが、なかなかこれは難しくて、いつも実現しきれないなぁと思うのですが、初めてそういう建物に会った気がしました。

特に良かったのが、ガラスではなくビニルの透明カーテンを使って、ある意味いい加減に外部と区切っていることで、街からの敷居が低くなっているのがとても素晴らしかった。(億ションのエントランスによくある使われない立派なガラスのロビーと比べるとその違いが分かります。)

何よりクロックスでタクシーまで送ってくれた西田さんの普段着姿にこの空間の素晴らしさがあらわれている気がしました。(笑)

この「カジュアルさ」はきっと新しい集合住宅の可能性を切り開いてくれる気がします。

末光弘和/SUEP.